外資IT冬の時代

年末年始にかけてGAFA始め大手IT外資の大規模レイオフが続々と続いている。私の会社も例に漏れず、だ。

過去の記事でも書いた、70代の米国個人投資家の友人は大学卒業後シリコンバレーでエンジニアとして働いていた。20年以上に及ぶ投資歴を通してドットコムバブルも経験した彼云はく、大手企業がここまで一斉にレイオフをするのを目にしたのは初めてだそうだ。ドットコムバブル時は(当時まだ黎明期であった)IT株の価値さえ無くなったものの、雇用は守られていた。リーマン時もここまで最規模な一斉レイオフは目の当たりにしなかったそう。

私は今の会社が初めての外資で、CEOからの社内メールでレイオフについて知った。うちの会社は雇用を守る方針があるから大丈夫だろうと思っていたので驚いた。社内メールを受信した時、CEOのロケーション的に現地時刻のかなり明け方でのメールだった事(普段は現地時間業務時間内であることが多い)、タイトルが23年の方針についてだった事から、直感的に悪いニュースだと気づいた。

ちょうどその時オフィスにいたから、社内がかなりざわつくと思ったが、意外と全くそういった騒ぎはなかった。日本の従業員は英語メールを見ない傾向があるから単純に気づかない人が多かったのだろう。

普段はこのような大きな事業方針に関してCEOからメールがある時は、続いてAPJのdirector、日本のdirectorよりフォローアップのメールがある。グローバル方針がどのようにAPJ、ひいては日本に影響するか明確にするためだ。しかし今回は日本のdirectorからそのようなメールはなかったから、もしかしたらリージョンレベルでしか知らされていなかったのでは?と思った。

メールを見て内心ドキドキしたが、レイオフの対象は業績不振の特定の部署が中心となるそう。私の部署は稼ぎ頭だから大丈夫そうだ。正直、レイオフになるであろう業績不振の部署に関しては、製品があまりにも弱いというか、自社でも使っていて全く使いやすいとは思わない。誰がこの製品を買うんだとさえ思っていた。恐らく社内の全員がそう感じていたはず。

だから、これをきっかけに不採算事業を精算する決定について、一従業員として、且つ自社株を持つ一株主として、非常にポジティブに感じた。そのような思い切った意思決定ができるからこそ、継続的に株価も伸びて行くのだろう。それに、きっとレイオフ対象となる人も、暫く働かなくても良いくらいの報酬パッケージを貰うはず。言い渡された人にしても悪くない待遇であろう。

コロナ渦で米国IT株は今までにない大きな伸びを見せた。今、株価はコロナ前と同じ位に下がり、急拡大した調整を行なっている。景気が良くなりすぎた後には必ず後始末が待っているのだと良い勉強になった。今回大規模レイオフがあったからこそ、最小限の人員で大きな利益をあげて、また近い将来で、IT株が大きく伸びる日が近づいているのだと感じる。

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